このページでは宇宙戦艦ヤマトを「ヤマト」、旧戦艦大和を「大和」と明記します。

【目次】
両艦誕生の相違点
両艦人生の相違点
両艦の最期
敵にとっての両艦の存在
ライバル艦存在の相違点
ヤマトは冥王星会戦で沈んでいた?

両艦誕生の相違点

両艦は極秘のうちに建造された。ただ、ヤマトはガミラスにばれており、 地球人類も知っており、盛大な式典と共に発進した。
それに対して大和は、アメリカもその実態をつかんでおらず、日本国民も 一部を除いて当時世界最大の戦艦があることは知らなかった。両者がヤマトの 実態を知ったのは戦後になってからである。

両艦人生の相違点

両艦の人生はどちらも短いものであった。ヤマトは西暦2199年暮れ生まれで、2203年に アクエリアスの海に没した。大和は昭和16年12月生まれで、昭和20年4月に九州坊ノ岬沖 の海に没した。
ここで一つ気づくことは、両艦ともその人生は約3年であったことであろう。しかし、その人生 の内容は大いに違っていた。
まず、ヤマトだが、ヤマトは説明もあまりいらないようにその短い人生の中で幾度と無く地球を 救った。それに対し大和は、一度も日本の役に立つことはなかった。
ただ、ヤマトも大和もそれぞれ希望の星であったことにはかわりはない。

両艦の最期

両艦は沈まなければいけなかったのだろうか?
確かにヤマトはあの時点で波動砲装備の戦艦が一隻もいなかったことからしょうがなかったとい えよう。しかし、大和はどうだろうか?
答えは沈まなくてもよかった。
ヤマトの沈没が地球を水没の危機から守るためであったのに対して大和は、当時の連合艦隊幹部の 人には失礼に当たるかもしれないが、敵航空戦力を一時的に大和に差し向けただけだった。
さて、話は少し戻るが、ヤマトと大和の最後の出撃シーンのことである。
ヤマト・大和とも少数の艦隊を率いて出撃した。ヤマトは巡洋艦矢矧(やはぎ)以下数隻の駆逐艦 であり、大和は同じく巡洋艦矢矧以下8隻の駆逐艦であった。そして、両艦の最期を見た軍艦は 駆逐艦冬月なのである。大和の場合は冬月に加え、海軍一の幸運艦雪風と初霜、磯風、霞、涼月が いたが・・・。
そして、ヤマトはアクエリアスの水柱と戦い、大和は魚雷、爆弾の雨と戦ったのだった。

敵にとっての両艦の存在

ヤマトは数多くの国と戦った。
ガミラス帝国と彗星帝国にとっては「たかが地球の戦艦」という評価であった。
その後の暗黒星団帝国はヤマトを恐れた。
しかし、その後のガルマン・ガミラス、ボラー連邦、ディンギルには高い評価を受けていない。 これは、ヤマトという戦艦を知らなかったためである。
対する大和は基本的に敵はアメリカだった。
その新造戦艦の隠蔽策は功を奏し、最後まで連合国にその正体がばれることはなかった。
大和がいったいどんな評価を受けていたかというと連合国側の命令でわかる。 「YAMATOと戦うな!」である。大和は連合国に非常に恐れられていたのだ。 これと同じことが零戦にも出ていた。「ZERO FIGTERと戦うな!」だ。
しかし、上記のように恐れられていた大和は充分な活躍を見せず、 あまり恐れられていなかったヤマトは地球のために奮闘したのだった。

ライバル艦存在の相違点

大和型戦艦のライバル戦艦と言えば、戦闘を交えたことが無いものの アメリカのアイオワ級戦艦である。
もし、仮に両艦が戦場で出会っていたとしたらどちらが勝っていても 不思議ではないのだ。
さて、我らがヤマトはと言うと、残念ながら完全にライバルと呼べる 艦はいない。呼べるとすればアンドロメダぐらいだろうが、実に 短期間に沈んでいるので、やはりライバルとは呼びづらいだろう。
敵国を見渡しても、ヤマトより強力な戦艦は登場するものの、ヤマトと 同じクラスで良い戦いをしたという艦はないのである。あるとすれば デスラー艦だろうが、これも艦隊を引き連れてヤマトと対等な戦闘を 繰り広げたわけで、ヤマト対デスラー艦という一騎打ちの形になると ヤマトが勝つのは目に見えている。
さらに、ヤマトにはライバルがいないだけではなく、姉妹艦も存在しない。
大和には武蔵という姉妹艦が存在し、さらに、信濃、111号艦 (命名されず)の建造が計画されていた。
それに対してヤマトは姉妹艦は存在しないのである。ヤマトの話の中で シブヤン海に沈む武蔵を宇宙戦艦に改造したという話はないからである。
ヤマトは姉妹艦もライバルも存在しない孤独な戦艦なのである。

ヤマトは冥王星会戦で沈んでいた?

 ヤマト、大和共に最後の出撃では9隻の艦を従えていた。艦隊の構成 としては、味方および敵側はほぼ同じである。違うのは、ヤマトはその 冥王星付近での戦闘を予測でき、レーダーで敵影を補足できたのに対し、 大和はすべての海域での戦闘が予想され、なおかつ悪天候のため敵機の 確認が遅れていた。
 だが、両艦の命運を分けた最大の違いは他の部分にある。
 それはヤマトにおけるコスモタイガー隊の存在だ。
 大和は途中までは味方機による護衛が付いていたが、航続距離の問題 で沖縄まで護衛するわけにはいかなかった。戦闘が始まったときには既 に素っ裸の状態だったわけだ。しかし、ヤマトには戦闘機格納庫があり、 多数のコスモタイガーが積み込まれ、敵機を迎え撃つことができた。
 とは言っても、やはり、ヤマトが正確な情報を得ていたことも大きい。
 仮に、敵機動部隊の冥王星付近駐在という情報を知らなければ、迎撃 体勢を取って進撃することは不可能であり、敵に先手を打たれ、ヤマト も少なからず損傷を負っていたかも知れない。
 そういう条件が整っていなければ、ヤマトは大和と同じ運命をたどっ ていたに違いないだろう。


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